2009年08月16日

正しいヴィオロンとの遊び方

2005年8月4日
東京エスムジカPresents Urban Folklore〜
正しいヴィオロンとの遊び方 
渋谷CHELSEA HOTEL GUEST:太田惠資



8月4日、全国的に気温は上がり、沖縄には台風が接近しつつあるこの日。
前回のUrban Folkloreから約1ヶ月半、楽しい楽しい夜の始まりに
期待しつつ、急な坂を上って会場へと到着した。
もともとハコが小さいせいか、余り店前に人がワサワサいるという
感じはない。
開場待ちしてるとコンビニ袋を持った早川氏がファンの間を縫って
ライブハウスへ入って行ったのだけど、殆どの人が早川さんと
気付かないのにちょっと笑ってしまった。

開演時間を10分程過ぎたところで、高鈴という二人組みのバンドが登場。
男女二人組で、女性のボーカルと男性のギターのユニット。
関西訛りのMCをしつつ、ハスキーヴォイスでゆったりと歌い綴る。
こういう声の人は辛そうな顔をして歌う人が多いような気がするのだが、
このヴォーカルの人は微笑を湛えながら歌うので、それがとても印象的だった。

10分のセッティングの後、20時になり東京エスムジカのステージが始まった。
まずはスクリーンで、協賛であるPanasonicオキシライド乾電池を使用した
機材でのレコーディング風景が流れる。歌は「風の行方」のC/W「艶姿」。
ちょっとマイナーな感じの自分好みの曲調だったので、シングル発売への期待が高まる。
プロデューサーとしての早川氏の姿も、この映像で見ることが出来た。

「largo 2004」が流れ、やがてメンバーがステージに出てくる。
美帆は白いタンクトップに黒(濃緑?)の前で結ぶノースリーブの
カーディガン、ピンク系のロングスカートで直径7〜8cmもの大きな
丸いペンダントトップのついたネックレス。
髪にはシャギーが入って、夏仕様という感じの爽やかな装い。

瑛愛は白のタンクトップに花柄の可愛らしいボレロ、ジーンズに
赤いベルトで、髪は二つにまとめてモスグリーンの帽子を粋な感じで
かぶっている。

1曲目は「月影のワヤン」。
二人ともこの曲は歌いなれており、難しい曲だと思うのだが
安心して聴ける。今回は二人とも良い具合に声が出ており、
前回の互いの声量のアンバランスさが全く無い。
「Urban Folkroreへようこそ!」と挨拶が入り、「ケモノ」へ。
「空の高さに〜」のあたりの声の合わせ方が、鳥肌が立ちそうな位
素晴らしい!
美帆のコーラス部分もいつもとは違う感じで、ライブに来たんだなと実感。
後ろからライトが当たって薄手のスカートで脚の形がしっかり判る
美帆がセクシーだったのでドキドキしてしまった。(・・・って私だけ?)

3曲目は「Vida」。早川氏の促すまま、会場から手拍子が始まり、
ボーカルの二人はとても楽しそうに、この夏向きの曲を盛り上げる。
「ハッピー・エンド・レターズ」では瑛愛が美帆をちょいと押すという
アクションが見られるし、二人の笑顔に会場も大いに盛り上がる。
以前は楽しい曲でもお互いそれぞれのリズムで踊っていたのだけど、
今回は身体の動かし方は違っても、リズムの取り方が同じになっているのだ。
二人はとても良い具合に変わってきている。

盛り上がった所でそのまま「月凪」に入る。さっきとはうって変わった、
凛とした二人の歌声に会場は聴き入っていた。

「皆さんはご存知かもしれませんが」と、美帆が唐突に話し始める。
何事かと思うと、「私はMCがヘタクソなんです」と告白を始めたので、
会場が笑いに包まれる。「もうね、びっくりする位噛んじゃうんですよ。
計算しても出来ないくらい」と瑛愛からのツッコミが鋭く入り、
二人のボケ&ツッコミトークが始まる。
「夏に負けずに一緒に踊りましょう」と美帆が言うと「そんな事言ってる美帆が
いつも夏バテをするんです」と瑛愛が暴露して、ちょい焦り気味の美帆が
「いや、まだ大丈夫。みんなのエネルギーを吸って帰るから」と真顔で応える。
石垣島育ちでも夏バテするんだなぁ、とそんなことをちょっと思った。

ここから今回のゲストの太田惠資氏の登場となった。
50代位のいたずら小僧のような茶目っ気のある雰囲気の太田氏が、
青く輝くバイオリンを携えてステージに上がる。
「こちらの太田さんはとても素敵な方で、うちのマネージャーは
太田さんと結婚したいと言ってました。」という言葉に
「これからはあなた達の時代です」とお告げのように返す太田氏が妙におかしい。

氏を交えて「オレンジの実る頃」が始まる。
自分のいた位置からは太田氏が全く見えなかったので、どんな風に
弾いていたのかが分からなかったのだが、驚いたのはこの曲の男
性コーラス部分を太田氏がやっていたことだ。
楽器だけでなく、コーラスまで出来るとはスゴイ!東京エスムジカの
4人目のメンバーになってくれ!などと勝手なことを考えてしまった。

続いて「泥の花」。オリジナルのアコーディオン部分をバイオリンに
するだけではなく、それなりのアレンジも施してある。
ちなみにこの曲は完全に生演奏されたように思う。
生演奏+太田氏のバックアップもあり、二人の歌声も熱を帯びたものとなった。

ここでMCに入り「太田さん、カッコイイ・・・」と目がハート状態の二人。
「二人のお父さんくらいの年齢なので、発表会を観に来た父親状態です」
とさらりと返す太田氏。さらに「余り身内同士で褒めたら、お客さんが
冷めてしまいますよ。・・・でも僕も好かれれば大丈夫(笑)」と
メンバーのみならず、観客までをも惚れさせる余裕のコメントに、
会場は大いに盛り上がる。いやー素敵な人だ。

ここで新曲「One Thousand Words」の披露となり、太田氏のホーミー
(本人曰く『ニセモノですが』)が披露される。
瑛愛よりホーミーとは喉から二声同時に出す歌唱法という説明がされ、
美帆が真似したけど全然出来なかったとの事。
途中で息切れをするというパフォーマンスを交えつつ、太田氏の
ホーミーが会場に響き渡る。金属音のような、人の喉から出ているとは
思えない不思議な声に洗脳されそうな気分になる。

「One Thousand Words」は哀愁の漂う曲で、詩の内容はつかめなかったが、
「壊すつもりじゃなかった」というフレーズが耳に残った。
「Standing On the Ground」は長い前奏のあとに始まった。
まるで鯨の鳴き声のような、不思議な音色が太田氏の青いバイオリンから
紡ぎ出される。前回のペダル・スティール・ギターの時とは受ける印象が
明らかに違い、清々しい感じを受けるアレンジだった。
ここで名残を惜しみつつ、大きな拍手を浴びながらの太田氏退場となった。

早川氏のムックリが響き渡り、お馴染み「月夜のユカラ」が始まった。
気のせいだろうが、いつもよりテンポがゆっくりめな感じがする。
美帆がまるで祈るように、大事に大事に歌い、瑛愛が子守唄のように
優しく歌う姿に、この「月夜のユカラ」という曲がワインのように
熟成されていく様がうかがえる。

「この曲で最後になります」の言葉に会場からはブーイング。
「でも、やっと発売日が決まりました!」とようやく「風の行方」
10月19日発売と告知される。「作った人は毎日聴けるんですけど」と
言った所で、「俺はもう半年聴いているけどねっ」と早川氏が自慢げに言い、
瑛愛が「何?もう飽きた?」と訊ねると「ちょっと飽きちゃった」と
羨ましいことを言ってくれる。「・・・あとでぶっ飛ばしておきます」と、
優しくたくましい瑛愛姐さんの言葉に笑い声が会場から起こった。

「風の行方」は明るく楽しく二人で歌い上げていたのだが、前回の事が
思い出されて、何故か自分の方が涙が出そうになってしまった。
途中瑛愛が「サランヘヨ!」「I love you!」と愛の言葉を投げかける。
東京エスムジカが近くに感じられるこの曲、早くCDで聴きたい。

アンコールになり、瑛愛のスタッフへの感謝の言葉と、10月のライブは
ぜひ踊れる格好で来てくださいと美帆からのお願いの後、
「希望の帆を掲げ」が始まった。
会場のボルテージが最高潮になり、二人も楽しくて仕方がないといった
様子で歌い上げる。
終わったところで唐突に早川氏が「こうやってると小室(哲哉)みたいだなっ!!」
と弾け、そこに男性の野太い声で掛け声が飛び交う。
それに両手の拳を振り上げて応える早川氏。男性に大人気。

そして太田氏の再登場となり、会場からは「待ってました!」の
拍手喝采で迎えられる。
「色々忙しいけど、ゆっくりと進んで行けたら幸せです」ということで、
「ポレポレ」が太田氏を交えて演奏される。ここでも太田氏はコーラスを
披露し、大いに盛り上がり、そして終了を迎えた。


前回のライブではハーモニーの部分が弱かったと書いたのだが、
今回はそれが見事に克服されており、いつもにも増して聴き応えのある
ものになっていた。

以前の美帆と瑛愛は、各々のパートを歌うことに集中しており、
互いの声を聴き取る余裕がなかったのかもしれないが、今回は
「自分のパートをきちんと歌う」のではなく「この曲を二人で歌い上げる」という、
そんな風に聴こえたのだ。だからこちらも、聴いていてすごく嬉しく
なってしまったのかもしれない。

【セットリスト】

  1.月影のワヤン
  2.ケモノ
  3.Vida
  4.ハッピー・エンド・レターズ
  5.月凪
  6.オレンジの実る頃
  7..泥の花
  8.One Thousand Words(新曲)
  9.Standing On the Ground
 10.月夜のユカラ
 11.風の行方
 (アンコール)
 12.希望の帆を掲げ
 13.ポレポレ

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posted by ぐりともる at 01:48| 福岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京エスムジカライブレポ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする